更新日:2015年11月3日
地域住民の生命・身体及び財産を災害から守ることは、市町村の責務として災害対策基本法で明記されています。地域住民も「自ら災害に備えるための手段を講ずるとともに、自発的な防災活動に参加する等防災に寄与するように努めなければならない。」 と同法に明記されています。 そのため、二宮町の地域毎に自主防災部が結成され地域の防災活動を行っています。「地震を防ぐことはできないが、震災を防ぐことはできる。」と言われた学者の方がいます。これは、市町村をはじめ防災関係機関のみならず、地域住民にもあてはまることです。災害が発生したときに「自分の身は自分が守る」「自分たちの地域は自分たちで守る」という理念で災害に対処することが地域住民の防災の基本です。
平成7年1月17日午前5時46分頃に発生し、6300余人の尊い命を奪った阪神・淡路大震災では、地域住民の自主防災組織による防災活動で多くの生命が救えたことは、今後の防災活動を見直すうえで貴重な教訓となりました。 淡路島の北淡町では、町内の被害は全世帯の約6割の家屋が全半壊という大きな被害に見舞われ、約300人の住民が倒壊した建物の下敷きになり生き埋めになりました。 しかし、日常の住民同士のコミュニティが大きな力を生みこの人々は、地元消防団や近隣の住民によってすべて救出され、行方不明者も当日中に確定されました。生き埋めになった人を捜索するときに隣近所の住民が「この家の寝室はこのあたりだからここを掘り出せばよい」など、消防団に情報を提供しながら救出作業行ったことが早い救出につながりました。これは住民同士はもちろん、消防団と住民のコミュニケーションが日頃から図られたことによります。 また、神戸市長田区戸崎通り2丁目では、地域住民が自治会長らの呼びかけで、バケツや洗面器を集め40トンの防火水槽からリレー方式で水を運び、迫る火勢から自らの手でくい止めました。 これら2つの地域の例は、自分たちで守るという意識と日頃のコミュニティの重要性を教えてくれたものです。
日頃の防災活動には、各個人(家庭)で行うべきことと地域住民で協力して行うべきことがありますが、災害が起きたとき、まず自分の身の安全を確保することが先決です。なぜなら、地域の防災活動に参加しようにも自分がけがをしてしまったら、それもできなくなってしまいます。そこで、日頃私たちが各個人(家庭)で行うべき防災活動をいくつかあげてみます。
災害時の活動は、平常時に行っている訓練の延長であり、いかにスムーズに対応できるかです。災害発生時に町は、町の機能や全職員が災害に対してあらゆる手段を講 じて対応に当たりますが、地域の方の協力なしでは災害の拡大を防ぐことができません。言い換えれば災害初動時に地域住民の協力次第で災害の規模が決まるとともに、その後の災害復旧・復興に要する期間にも影響します。
現在私たちの生活は、近隣関係が希薄になっていると言われています。もしも災害 が発生した場合、それを防いだり、被害を最小限にするためには、自分だけ(自分の家だけ)が安全というだけでは本当の安全とはいえません。自分たちの住む地域全体が安全になり、はじめて自分や家族が安全になれるのです。安全で住みよいまちをつくるためには、日頃から地域住民のコミュニティを大切にし、連帯感を深めていく努力が必要です。