貝化石の説明一覧
- [更新日:2022年10月28日]
- ID:19

ユキノカサガイ Acmaea (Niveotectura) pallida (Gould)


殻は純白ですので、この名があります。背の高い笠貝で、殻は厚くなっています。殻頂から強弱多数の放射肋があり、そのうち強いものは15から20本程度です。またこれと直交する多数の成長肋があります。現在この種は東北以北に生息していて、暖海性の堆積物と考えられています。二宮層からこの種の化石が多数産出する理由はなぞとされています。
- 殻高:24.6ミリメートル
- 地理的分布:東北、シベリア、サハリン、千島
- 生息深度:0から20メートル
- 生息底質:岩礁
- 生息地質時代:鮮新世から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.29,pl.8,igs.1,2

エゾサンショウガイ Homalopoma amussitatum (Gould)

現在、この種は下記の範囲に分布していますが、相模湾産のものは小型です。寒海のタイプは相模湾産よりも大型で、赤褐色をしています。二宮層から産出するものは、現在の寒海のタイプです。比較的多く産出します。
- 殻高:11.5ミリメートル
- 地理的分布:相模湾以北、東北、北海道、朝鮮半島 生息深度:0から50メートル
- 生息底質:岩礁
- 生息地質時代:鮮新世から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.78,pl.15,fig.6

キヌガサガイ Tugurium exutum (Reeve)

低い円錐形をしていますが、形は不定です。殻は薄く壊れやすくなっています。殻表に細かなしわがあり、これに砂や小礫、稀には貝殻などを付着させています。本標本の殻底は失われていますが、本種が化石として産出するのはほとんどありません。
- 殻高58.9ミリメートル
- 地理的分布:本州
- 生息深度:20から100メートル
- 生息底質:細砂
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.139,pl.20,figs.1,2

エゾタマガイ Cryptonatica janthostomoides Kuroda & Habe

球形、殻は厚く、堅固です。臍孔に張り出した臍盤の中央に溝があります。殻口内はやや紫がかった褐色ですが、千島、サハリンに産する殻口内が濃紫色なものはチシマタマガイです。殻口内の色が失われる化石では両者の区別は困難です。
- 殻高:35.2ミリメートル
- 地理的分布:北海道南部~九州、朝鮮半島
- 生息深度:10から50メートル
- 生息底質:細砂
- 生息地質時代:中新世~現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.173,pl.19,figs.1,2

ツメタガイ Glossaulax didyma (Röding)

厚質堅固、半球状で体層は大きく、螺塔は低くなっています。殻口内に張り出した臍盤は大きく、中央部にある浅い溝によって二分されます。エゾタマガイよりは大型になります。相模湾にもたくさん生息し、底引き網にかかることがあります。美味ですが肉は柔らかくありません。
- 殻高:51.5ミリメートル
- 地理的分布:北海道南部から九州、朝鮮半島 東南アジア
- 生息深度:0から50メートル
- 生息底質:細砂
- 生息地質時代:中新世~現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.184,pl.18,figs.5,6

ナガスズカケボラ Reticutriton tenuiliratus (Lischke)

厚質堅固、縦張肋、結節があり、毛の生えた殻皮で覆われています。殻が丈夫なため化石としてしばしば産出します。スズカケとはプラタナスのことで、その実の形からこの名がつけられました。山伏はスズカケの実を首からさげて修行するといいます。
- 殻高:57.2ミリメートル
- 地理的分布:房総半島~九州
- 生息深度:0から200メートル
- 生息底質:岩礁
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.193,pl.29,fig.1

チリメンナルトボラ Tutufa oyamai Habe

厚質堅固です。各螺層に2本の強い螺肋があり、縦肋と交わって大きな瘤を作ります。縦張肋の位置は螺層ごとに少しずつずれます。
- 殻高:48.1ミリメートル
- 地理的分布:本州、台湾
- 生息深度:20から50メートル
- 生息底質:岩礁
- 文献:波部忠重、1961、続原色日本貝類図鑑、p.47,pl.24,fig.4

ツノオリイレガイ Boreotrophon candelabrum (Reeve)

殻は比較的厚くなっています。各層に6~8本の縦肋あり、板状になります。肩部で三角状で、体層は大きくなっています。水管はやや右へまがっています。
- 殻高:50.8ミリメートル
- 地理的分布:北海道~相模湾
- 生息深度:0から200メートル
- 生息底質:砂礫
- 生息地質時代:鮮新世~現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.233,pl.41,fig.10

ムシロガイ Niotha livescens (Philippi)

小形ですがよく膨らみ、体層には約20本の縦肋があり、螺肋と交わって顆粒をつくり、むしろ状となります。
- 殻高:25.7ミリメートル
- 地理的分布:本州、九州、西太平洋
- 生息深度:0から20メートル
- 生息底質:砂礫
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.274,pl.48,figs.11,12

ナサバイ Benthindsia magnifica (Lischke)

螺塔が高くなっています。殻頂からの縦肋は15から16本、螺肋は多数あり、肩にあるものが最も太くなっています。縦肋と螺肋は交わって顆粒を作ります。殻頂はとがっていません。殻は薄くなっていますが、保存のよいものが少なくありません。比較的多数産出します。
- 殻高:40.8ミリメートル
- 地理的分布:房総半島~九州
- 生息深度:30から200メートル
- 生息底質:砂
- 生息地質時代:中新世~現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.261,pl.45,fig 2

マユツクリガイ Siphonalia spadicea (Reeve)

二宮層からはSiphonalia属の産出が少なくありませんが、本種はそのひとつです。よい状態で保存されています。体層はむしろ細長くなっていて、螺塔は高くなっています。
- 殻高:41.1ミリメートル
- 地理的分布:北海道南部~九州
- 生息深度:20から250メートル
- 生息底質:細砂
- 生息地質時代:鮮新世~現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.258,pl.45,figs.10,11

セコボラ Siphonalia modificata (Reeve)

Siphonalia属の中では最も彫刻が強く、肩に秀でた結節を作ります。螺塔は比較的低くなっています。外唇の内側に歯列を作ります。
- 殻高:39.6ミリメートル
- 地理的分布:房総半島~九州
- 生息深度:20から50メートル
- 生息底質:砂
- 生息地質時代:中新世~現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.259,pl.45,fig.1

アライトマキナガニシ Fusinus forceps salisburyi Fulton

中形で、細長い紡錘形をしています。水管は長く、先端付近で少し曲がっています。縦肋は殻底には及びません。全面に螺肋があります。
- 殻高:81.3ミリメートル
- 地理的分布:北海道南部~九州
- 生息深度:0メートル
- 生息底質:砂泥
- 生息地質時代:鮮新世から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.281,pl.49,fig.2;pl.51,fig.4

ホンヒタチオビガイ Psephaea cf. prevostiana (Crosse)

体層で約20本の縦肋がありますが、縦肋は上位の螺層ほど顕著です。縫合直下には細かな螺肋が密集していますが、縫合下を離れるに従って不明瞭となります。体層は大きく、殻口は細長く、軸には4褶があり、水管は広く短くなっています。本標本はホンヒタチオビガイに最も近い形態をしていますが、縫合直下に細かな螺肋がある点が異なっています。
- 殻高:91.7ミリメートル
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.304,pl.54,fig.17

トカシオリイレボラ Habesolatia nodulifera (Sowerby)

コロモガイに似ていますが、螺層の肩が鋭く角張り、肩と上位の螺層の間には溝があります。軸唇には2褶がありますが、滑層に覆われています。
- 殻高:32.4ミリメートル
- 地理的分布:房総半島から九州、朝鮮半島、東シナ海
- 生息深度:20から50メートル
- 生息底質:砂泥
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.312,pl.54,fig.6

オビヒメシャジクガイ Paradrillia patruelis (Smith)

小型、厚質堅固です。紡錘形、殻表には、縦肋と螺肋が発達していて、布目状の彫刻があります。ヒメシャジクガイと別名があります。このほかシャジクガイの仲間の産出が少なくありません。
- 殻高:16.7ミリメートル
- 地理的分布:本州から四国
- 生息深度:20から150メートル
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.324,pl.55,fig.5

スグウネトクサガイ Noditerebra (Noditerebra) recticostata (Yokoyama)

高い円錐形。顕著な縦肋は傾くことなく殻頂から殻底を除く体層まで続いています。縦肋は体層で16本、螺肋は全面に発達しています。ヒメトクサガイとは同じものです。
- 殻高:41.1ミリメートル
- 地理的分布:相模湾~山口県
- 生息深度:20から100メートル
- 生息底質:細砂泥
- 生息地質時代:鮮新世から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.382,pl.90,fig.7

フカミキララガイ Acila (Acila) archibenthalis Okutani


キララガイの仲間は殻表に山形の肋ができることが特徴です。山形の頂点を結ぶ線が腹縁のほぼ中点を通ります。前歯丘には約20の、後歯丘には約12の「く」の字型をした歯があります。この仲間は比較的深いところに生息しています。
- 殻高:23.8ミリメートル
- 地理的分布:房総半島から九州
- 生息深度:50から800メートル
- 生息底質:細砂泥
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.503,pl.66,figs.3,4

サトウガイ Scapharca satowi (Dunker)


サトウガイの近縁種には多くの仲間がいますが、まずは殻表の放射肋の数によって大別します。本種は38本内外の放射肋をもっています。美味とされるアカガイの放射肋は52本内外です。種名は東京にいたイギリス公使Satowi氏に献名されました。
- 殻高:67.4ミリメートル
- 地理的分布:房総半島から九州
- 生息深度:0から20メートル
- 生息底質:砂泥
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.529,pl.68,fig.1;pl.69,figs.1,2;pl.70,fig.3

タマキガイ Glycymeris vestita (Dunker)

二宮層からはタマキガイ属の化石が多産します。タマキガイ属の殻は厚質堅固で、保存がよいからでしょう。本種も厚質堅固で、中形をしていて、横方向にわずかに長くなっています。殻表には細かな放射肋が多数ありますが、老成すると、摩滅によって失われることが少なくありません。靭帯面が小さいため、靭帯面の山形彫刻も小さくなっています。トドロキガイともいいます。
- 殻高:46.2ミリメートル
- 地理的分布:相模湾~九州
- 生息深度:5から50メートル
- 生息底質:砂
- 文献:吉良哲明、1954、原色日本貝類図鑑、p.113,pl.44,fig.11

ベニグリガイ Glycymeris rotunda (Dunker)

幼貝は類円形ですが、成長に伴って後端および上下方向に伸びます。靭帯面の山形彫刻は強くはっきりしています。成貝の殻の模様はさまざまですが、全体が褐色なものもありますので、この名があります。
- 殻高:41.7ミリメートル
- 地理的分布:本州から九州、東シナ海
- 生息深度:30から300メートル
- 生息底質:細砂泥
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.532,pl.71,fig.6

ベンケイガイ Glycymeris albolineata (Lischke)


きわめて厚質堅固です。タマキガイ属としては大きく成長します。横長で、殻表には放射状に刻点の列があります。砂浜に肉の取れた貝殻が合殻のまま打ち上げられていることがあります。
- 殻高:78.3ミリメートル
- 地理的分布:房総半島から九州
- 生息深度:5から20メートル
- 生息底質:細砂(外洋)
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.532,pl.71,figs.1,2

ミタマキガイ Glycymeris imperialis Kuroda

本属としては中形、厚質堅固、類円形、よく膨らみ、類円形をしています。タマキガイと似ていますが、左右がほぼ対称で、上下に長く、ふくらみが強いことで区別できます。
- 殻高:30.3ミリメートル
- 地理的分布:東北から駿河湾
- 生息深度:20から50メートル
- 生息底質:細砂
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.531,pl.71,figs.3~5

トウカイシラスナガイ Limopsis (Limopsis) tokaiensis Yokoyama

類円形で、老成すると、後腹縁へ張り出します。太い成長脈と、それらの間に細い成長脈があり、細い成長脈は細い放射肋と交わって小さな顆粒を作ります。内縁は刻まれません。本種を現世のオオシラスナガイと考える学者もいます(波部忠重:日本産軟体動物分類学、二枚貝綱/掘足綱、p.48)。今後の検討課題です。
- 殻高:9ミリメートル
- 推定生息深度:50から100メートル
- 生息底質:砂泥
- 生息地質時代:中新世から更新世
- 文献:Oyama,K.1973,Yokoyama's type mollusca,p.75,pl.21,figs.18,20,23

イタヤガイ Pcten (Notovola) albicans albicans (Schröter)


その学名が示す通り殻は白い色をしています。形態が右殻と左殻とでは全く異なります。すなわち、右殻はよく膨らみ、殻表には、殻長方向の断面がコの字形をした放射肋が7~9本並んでいるのに対して、左殻はほとんど平ら、またはやや内側にへこみ、肋頂が丸い放射肋が右殻に対応して並んでいます。肉は美味です。
- 殻高:70.0ミリメートル
- 地理的分布:北海道南部から九州 朝鮮半島 中国
- 生息深度:10から80メートル
- 生息底質:砂泥
- 生息地質時代:鮮新世から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.577,pl.81,figs.1~3

カズウネイタヤガイ Pcten (Notovola) albicans naganumanus Yokoyama


放射肋の数が12から13本であることを除くとイタヤガイに酷似しています。県下では横浜市長沼層及び二宮層からのみ産出します。しかし最近、現生種として報告されることが多くなりました。筆者も2004年春、福岡県玄界灘で、肉片のついた右殻を採取したことがあります。
- 殻高:28.7ミリメートル
- 生息地質時代:鮮新世から現世
- 文献:Oyama,K.1973,Yokoyama's type mollusca,p.85,pl.33,figs.8,10;pl.34,fig.4

アヅマニシキガイ Chlamys (Chlamys) farreri nipponensis Kuroda

大型で、殻頂部を除いた部分は扇形です。殻表には刺のある放射肋が並び、それらは数本ごとに強くなります。
- 殻高:55.2ミリメートル
- 地理的分布:北海道南部から九州、朝鮮半島、北中国
- 生息深度:0から60メートル
- 生息底質:岩礁
- 生息地質時代:鮮新世から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.569,pl.80,fig.7

トウキョウホタテガイ Mizuhopecten tokyoensis Tokunaga


大型、殻頂部を除くと扇形です。左殻、右殻とも前後に大きな耳が発達する点は現生のホタテガイに似ていますが、殻表の放射肋の形が不規則で、約10本の大きな放射肋の上に小さな放射肋が二次的に発達します。左殻の表面には鮫肌状の模様ができることがあります。現生の本種は確認されていません。県内では中津層、宮田層、長沼層、二宮層、大津層から採集されていますが、中津層を除くと、産出量は少なくありません。
- 殻高:73ミリメートル
- 生息地質時代:鮮(中)新世から現世
- 文献:Oyama,K.1973,Yokoyama's type mollusca,p.86,pl.35,figs.4,7

ヒヨクガイ Cryptopecten vesiculosus (Dunker)

類円形、約15本の放射肋が発達しています。各放射肋の両側には細い放射肋が併走しています。多数の間肋もあります。右殻の放射肋は成長脈と交わって細かな刺状となっています。
- 殻高:29.9ミリメートル
- 地理的分布:房総半島から九州、東シナ海
- 生息深度:50から600メートル
- 生息底質:細砂
- 生息地質時代:鮮新世から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.574,pl.79,figs.1~7

キンチャクガイ Decatopecten striatus (Schumacher)


幅が広く、低い放射肋が5本あります。放射肋の上には、さらに細い多数の放射肋があります。殻の形がキンチャクを思わせます。
- 殻高:35.2ミリメートル
- 地理的分布:房総半島から九州、東南アジア
- 生息深度:0から50メートル
- 生息底質:砂礫
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.573,pl.79,fig.8

ナミマガシワガイ Anomia chinensis Philippi


中形、薄質、類円形のものが多くなっています。右殻で地物に付着しますので、地物の形によってさまざまな形となります。殻表は美しい真珠光沢があります。
- 殻高:48.6ミリメートル
- 地理的分布:北海道南部から九州、朝鮮半島、中国、東南アジア
- 生息深度:0から20メートル
- 生息底質:岩礁
- 生息地質時代:中新世~現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.590,pl.84,figs.12~14

マガキ Crassostrea gigas (Thunberg)

中形から大型になります。左殻で地物に付着します。右殻は左殻に比べて小さく扁平です。特に細長い形をしたものをナガガキといいますが、本層から産出するものは、ナガガキでないタイプのものです。美味であることは周知のとおりです。
- 殻高:64.3ミリメートル
- 地理的分布:サハリン、北海道~九州、朝鮮半島、中国、東南アジア、このほか、筆者はスペインの大西洋沿岸でも採取したことがある。
- 生息深度:0メートル
- 生息底質:岩礁
- 生息地質時代:中新世から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.596,pl.86,fig.1

コウボネガイ Meiocardia tetragona (Adams & Reeve)

中形で、強い膨らみがあります。殻頂は前方へ傾いています。殻頂から後隅腹へ稜角が走っていて、殻表には強い輪肋があります。
- 殻高:18.1ミリメートル
- 地理的分布:房総半島から九州、インドネシア
- 生息深度:50から400メートル
- 生息底質:細砂、貝殻
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.614,pl.87,fig.10

ツキガイモドキ Lucinoma annulata (Reeve)


中形で、レンズ状をしていて、弱い膨らみがあります。殻表には板状の輪肋があります。内腹縁は刻まれません。
- 殻高:32.3ミリメートル
- 地理的分布:北海道南部から九州、東シナ海
- 生息深度:10から200メートル
- 生息底質:細砂泥
- 生息地質時代:中新世から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.609,pl.87,fig.16

シマキンギョガイ Nemocardium (Keenaea) samarangae (Makiyama)

- 殻高:5.9ミリメートル
- 地理的分布:房総半島から九州、東シナ海
- 生息深度:50から300メートル
- 生息底質:細砂泥
- 生息地質時代:中新世から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.624,pl.88,figs.11,12

イシカゲガイ Clinocardium californiense buellowi (Rolle)


不完全な標本を採取しました。本種は固い貝殻ですが、壊れやすくなっています。殻表の放射肋は35本内外で強くなっています。後腹縁には強い褶ができます。
- 殻高:50.0ミリメートル
- 地理的分布:本州から九州
- 生息深度:10から100メートル
- 生息底質:細砂泥(内湾)
- 生息地質時代:中新世(?)から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.622,pl.88,fig.9

マツヤマワスレガイ Callista chinensis (Holten)


中形で、横に細長くなっています。殻表は平滑で、主歯の頂きは細い溝によって2分されます。
- 殻高:38.8ミリメートル
- 地理的分布:房総半島から九州、台湾、中国
- 生息深度:0から50メートル
- 生息底質:細砂
- 生息地質時代:中新世から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.644,pl.90,fig.9

ハナガイ Placamen tiara (Dillwyn)

中形で、類円形をしていて、12本の強い板状の輪肋が発達します。花びらを思わせるような華麗な貝殻です。小月面が大きくなっています。
- 殻高:13.4ミリメートル
- 地理的分布:房総半島から九州、太平洋、インド洋
- 生息深度:10から50メートル
- 生息底質:細砂
- 生息地質時代:鮮新世から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.660,pl.93,figs.8,9

ビノスガイモドキ Venus (Ventricoloidea) foveolata Sowerby


中形で、厚質堅固です。卵円形をしていて、殻表には板状の強弱のある著しい輪肋があります。内腹縁は細かく刻まれます。
- 殻高:35.3ミリメートル
- 地理的分布:房総半島から九州
- 生息深度:50から300メートル
- 生息底質:細砂泥
- 生息地質時代:中新世(?)から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.659,pl.93,fig.2

ホクロガイ Oxyperas bernardi (Pilsbry)


薄質で前後に長い三角形をしています。殻表に幅の広い輪肋があり、内面の殻頂下には靭帯受けがあります。側歯は前後ともに長くなっています。
- 殻高:35.9ミリメートル
- 地理的分布:房総半島から九州、台湾
- 生息深度:10から100メートル
- 生息底質:砂、貝殻
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.670,pl.95,figs.1,2

ミルクイガイ Tresus keenae (Kuroda & Habe)


殻は大型で、殻は厚く、多少膨らみます。後縁は裁断状になっていて、両殻の間は広くあき、水管を出し入れします。
- 殻高:10ミリメートル
- 地理的分布:北海道から九州、朝鮮半島
- 生息深度:0から20メートル
- 生息底質:内湾の泥
- 生息地質時代:鮮新世から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.671,pl.96,fig.1

ゴイサギガイ Mocama tokyoensis Makiyama

中形、薄質、扁平で、後背縁は真っ直ぐで後端はややとがっています。輪肋は細いが明らかです。
- 殻高:20.2ミリメートル
- 地理的分布:本州から九州、東南アジア
- 生息深度:20から400メートル
- 生息底質:細砂
- 文献:吉良哲明、1954、原色日本貝類図鑑、p.157,pl.59,fig.19

クチベニデガイ Anisocorbula venusta (Gould)

型で、楕円形をしていて、厚質堅固で、膨れません。左殻、右殻で大きさが異なります。殻頂から後腹縁に向かって稜が走っています。殻表には太くて不規則な成長肋があります。
- 殻高:7.4ミリメートル
- 地理的分布:北海道南部から九州
- 生息深度:0から200メートル
- 生息底質:細砂
- 生息地質時代:中新世から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.707,pl.102,fig.15

スナメガイ Poromya flexuosa Yokoyama

小型で、薄質をしており、大きく膨れています、卵球形の殻表には細かな顆粒が多数発達していて、これに細かな砂が付着するのでこの名があります。
- 殻高:8.5ミリメートル
- 地理的分布:房総半島から九州
- 生息深度:30から300メートル
- 生息底質:細砂
- 生息地質時代:鮮新世から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.732,pl.103,figs.27,28

ツノガイ Antalis weinkauffi (Dunker)

筒型ですが、先端に向かって細くなり、少し湾曲しています。殻頂に近いところでは9本の縦肋が発達しています。また多数の間肋があります。殻の殻口側は縦肋の発達は見られず、平滑です。殻口は円形です。
- 殻高:44.2ミリメートル
- 地理的分布:本州から九州
- 生息深度:30から500メートル
- 生息底質:細砂
- 生息地質時代:中新世(?)から現世
- 文献:黒田徳米・波部忠重・大山桂、1971、相模湾産貝類、p.488,pl.65,figs.12,13
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