温水プール

今後の社会体育施設の方向性　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　

当町では、町民運動場や町立体育館、また、武道館やテニスコート(ラディアン・緑が丘)あるいは山西プールといった社会体育施設を設置するほか、小中学校の運動場や体育館を一般向けに開放するなど、町民のスポーツ活動における拠点づくりを推進してきました。

しかしながら、時代の移り変わりとともに、人口の減少あるいはスポーツ活動に対するニーズの変容等も相まって、各施設における利用者数は減少しており、今後も減少傾向が続くと想定されます。

そうした中、体育施設の利用の多くはスポーツ団体によるもので、その活動日程はおおよそパターン化されていることから、既存施設が効率的に利用されており、現状として不足している状況は見受けられず、今後の少子高齢化に伴って、施設の空き状況は増加傾向になることも見込まれます。

また、ごみ処理業務や消防指令業務をはじめとした自治体間連携が進む中で、社会体育施設の相互利用についても確立され、近隣市町に設置される公共の体育施設の多くは、在住の住民と同一料金で利用可能となっていることから、交通アクセスの良い二宮町に住む町民のスポーツ活動は、町域を越えたものにもなっています。

一方、町民温水プール跡地の活用を検討するにあたり、大きな課題となるのがコスト面です。国交付金等の制度利用をもってしても莫大な経費を要し、別の体育施設へ転用した場合、改修コストについては数億円が見込まれるほか、毎年度多額の運営経費を要することとなります。 このランニングコストについて町立体育館と開館時間や運営方法等を同様として試算した場合、令和5年度予算ベースで歳出(人件費・光熱水費)が約1050万円、歳入(利用料)が約560万円、差引で毎年度約500万円程度の町負担を要するほか、将来的に修繕等の臨時的な経費も上積みされていくこととなります。

そのため、持続可能なまちづくりに向けた二宮町公共施設再配置・町有地有効活用実施計画による床面積の縮減や財政負担の軽減が大きな目標の一つとなっている中で、新たな体育施設の設置に向けた投資の可能性は低く、維持していく体育施設への集中的投資を実施することで施設の長寿命化を図り、これからの時代に見合ったスポーツ活動の拠点づくり、また、DX等による利用しやすい環境づくりも推進していきます。

以上のとおり、スポーツ施設の利用実態や今後の見込み、また、コスト面を勘案した結果、教育委員会としては、町民温水プール跡地について、公設公営による新たな社会体育施設への転用はしないものとしますが、既存施設の適切な維持管理や学校施設開放事業の運用、あるいは、将来的な学校統廃合によって生じる空き施設の有効活用等も併せて検討していくことで、当町のスポーツ活動の拠点づくりやスポーツ振興を図っていきます。

なお、今後の跡地の活用については、施設再編課でサウンディング型市場調査を行うなど、町として活用方法を検討していくこととします。