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    令和8年度施政方針

    • [更新日:2026年2月27日]
    • ID:3328


    令和8年度の予算案並びに諸議案のご審議をお願いするにあたり、ここに、町政運営の基本方針とともに概要を申し上げます。

    基本方針

    私が町政をお預かりしてから11年が経過いたしました。令和8年度は、3期目の任期の締めくくりとなる重要な年度です。

    この間、私たちは想像を超える社会情勢の激変に直面しました。未曾有のパンデミック、急速なデジタル化、そして価値観の多様化、こうした変化の荒波にさらされながらも、二宮町の歩みを止めることなく今日を迎えることができたのは、町民の皆さまの温かな支えと議員各位のご理解、ご協力があったからこそです。この場をお借りして、心より深く感謝申し上げます。

    令和8年度、二宮町の風景は確かな転換点を迎えます。こどもを真ん中に据え、町民の声を起点として、公共施設を核に制度と人のつながりを編み直してまいります。具体的には、役場新庁舎「北棟」の着工、こども家庭センター「にのはぐ」と教育委員会が連携する「南棟」の設計、そして生涯学習センター「ラディアン」の大規模改修、これらの取り組みは、単なる公共施設の更新にとどまらず、未来の二宮町を描くための基盤を築く事業です。

    その目的は、「行政サービスや文化交流をひとつの場に集約し、世代を超えた新たな『つながり』を編み直すこと」にあります。これまでのように用事を済ませるためだけの場所にとどまるのではなく、ふらりと立ち寄り、学び、交流し、誰もが居心地よく過ごせる「まちの広場」を創ります。そこで織りなされる町民の皆さまの活動が、施設に息を吹き込み、10年後、20年後の二宮町を支える拠点へと成長していきます。この拠点づくりに町民の皆さまと力を合わせて取り組んでまいります。

    このまちづくりを貫く中心理念は、「こどもがまんなか」です。町制施行90周年を祝った昨年、私は改めて、こどもたちが笑顔で自分らしく過ごせるまちは、実は大人にも高齢者にも優しく、すべての人が暮らしやすいまちになると確信いたしました。

    その確信を具現化すべく、「二宮町こどもまんなか元年」と位置付けた昨年から、湘南地域初となる「こどもの権利条例」の制定に向けた準備を進めています。一人一人のこどもを尊重し、その声を町政に反映する、この取り組みこそが民主主義の根幹であり、未来へのかけがえのない投資です。「こどもがまんなか」の理念のもと、すべての世代が自分らしく輝ける社会を次世代とともに築いてまいります。

    しかし、私たちの足元には厳しい現実もあります。経済情勢は緩やかな回復基調にあるものの、長引く物価高騰が町民の家計や企業の経営に重くのしかかったままです。この状況に対し、町では「くらし応援商品券(8,000円分)」を4月中旬から速やかに配布し、日々の暮らしを支える一助としてまいります。

    また、一方で、大型事業が進行する中、財政運営も一層困難さを増しています。「未来への責任」であるインフラ整備と、「現在の課題」である社会保障や物価対策、この両立は容易ではありません。しかし、これまで培ってきた堅実な財政運営を基盤として、国・県の補助金や地方債を効果的に活用することで、財源の重点化と効率化を徹底し、将来を見据えた持続可能な財政運営を実現する覚悟です。

    令和8年度は、総合計画の後期基本計画や地域福祉計画の策定など、二宮町の設計図を描く大切な年でもあります。

    「声をつなぎ 未来を創る 一緒に築く安心のまちへ」

    このスローガンには、町民の皆さまとの「対話」を、確かな「形」と「安心」へと変えていこうとする私たちの決意が込められています。 すべての世代の声を丁寧に拾い上げ、ともに考え、ともに汗をかきながら新しい二宮町の歴史を切り拓く、その先頭に立つ覚悟を新たに、令和8年度の予算案をご提案申し上げます。

    予算総論

    5会計の新年度予算総額は、192億4,562万9千円となり、令和7年度と比較して2.8%の増となりました。このうち一般会計は、105億3,500万円で4.6%の増、特別会計は、71億3,517万4千円で0.7%の増、企業会計は、15億7,545万5千円で0.5%の増となりました。


    一般会計をはじめ各特別会計等の令和8年度予算
    一般会計10,535,000千円+4.6%
    特別会計7,135,174千円+0.7%
    企業会計1,575,455千円+0.5%
    合計19,245,629千円+2.8%
    特別会計予算
    国民健康保険特別会計2,729,573千円-4.5%
    後期高齢者医療特別会計1,199,635千円+9.3%
    介護保険特別会計3,205,966千円+2.5%
    合計7,135,174千円+0.7%
    企業会計予算
    下水道事業会計1,575,455千円+0.5%


    それでは、新年度予算の重点施策・事業について、第6次二宮町総合計画前期基本計画の重点的方針に沿って、ご説明申し上げます。

    重点的方針1「公共施設の利便性、機能性を高めるまちづくり」

    はじめに、「公共施設の利便性、機能性を高めるまちづくり」です。
    この施策は、公共施設を「まちの広場」として再設計し、世代を超えたつながりを編み直すための基盤づくりです。

    まず、行政サービスの拠点となる役場新庁舎の整備を進めます。埋蔵文化財の発掘調査を経て、いよいよ本庁舎となる「北棟」の建設に着手いたします。これまでの現庁舎におけるアクセス上の負担を解消し、ラディアン周辺に誰もがアクセスしやすい安全・安心な拠点を構築してまいります。

    また、子育て・教育の拠点となる「南棟」につきましては、令和8年度に設計を進め、「北棟」と同じく、令和10年5月の業務開始を目指します。この南棟では、これまで別棟であった子育て部門と教育部門を統合することで、密接な連携を可能にし、「こどもがまんなか」の理念に基づいた、すべてのこどもたちへの切れ目のない支援をさらに加速させてまいります。

    行政機能の整備に加え、町民の皆さまが集い、学び、交流する拠点も整えてまいります。生涯学習センター「ラディアン」につきましては、令和8年度は引き続き実施設計に取り組み、施設の長寿命化に向けた改修のみならず、ホールやモールの天井の耐震性向上、授乳室・搾乳室の設置など、すべての世代が安心して過ごせる環境を整えます。図書館は、モールとの間のガラスの壁を取り払い、一体的なオープンスペースへと生まれ変わらせ、「公園のような場所」として、ふらりと立ち寄り自然に本に触れられる空間をつくります。
    工事に伴い、令和9年1月の「20歳のつどい」終了後から約2年間、休館となりご不便をおかけいたします。休館中も図書の予約貸出を実施するとともに、居場所の確保についても利用者の声を伺いながら検討し、令和11年1月の利用再開に向け、新しい交流の場を整えてまいります。

    また、山西プールにつきましても、長寿命化改修に向けた実施設計に着手いたします。「誰もが安全に安心して水に親しむことのできるプール」を目指し、夏の開設期間を避けた工期設定など、利用者の皆さまへの影響に配慮しながら着実に整備を進めてまいります。

    こうした大型事業が進行する中で、私たちは社会情勢の変化や建築コストの増大という厳しい現実にも向き合い、限られた財源の中で優先順位を明確にすることが重要です。そのため、公共施設再配置・町有地有効活用実施計画を、令和8年度から2か年をかけて「公共施設等総合管理計画」へと統合・改訂いたします。ワークショップや検討委員会を通じて町民の皆さまとの対話を重ね、皆さまの想いをこれからの二宮町の設計図に反映させてまいります。

    また、子育て・教育の拠点となる「南棟」につきましては、令和8年度に設計を進め、「北棟」と同じく、令和10年5月の業務開始を目指します。この南棟では、これまで別棟であった子育て部門と教育部門を統合することで、密接な連携を可能にし、「こどもがまんなか」の理念に基づいた、すべてのこどもたちへの切れ目のない支援をさらに加速させてまいります。

    行政機能の整備に加え、町民の皆さまが集い、学び、交流する拠点も整えてまいります。生涯学習センター「ラディアン」につきましては、令和8年度は引き続き実施設計に取り組み、施設の長寿命化に向けた改修のみならず、ホールやモールの天井の耐震性向上、授乳室・搾乳室の設置など、すべての世代が安心して過ごせる環境を整えます。図書館は、モールとの間のガラスの壁を取り払い、一体的なオープンスペースへと生まれ変わらせ、「公園のような場所」として、ふらりと立ち寄り自然に本に触れられる空間をつくります。

    工事に伴い、令和9年1月の「20歳のつどい」終了後から約2年間、休館となりご不便をおかけいたします。休館中も図書の予約貸出を実施するとともに、居場所の確保についても利用者の声を伺いながら検討し、令和11年1月の利用再開に向け、新しい交流の場を整えてまいります。

    また、山西プールにつきましても、長寿命化改修に向けた実施設計に着手いたします。「誰もが安全に安心して水に親しむことのできるプール」を目指し、夏の開設期間を避けた工期設定など、利用者の皆さまへの影響に配慮しながら着実に整備を進めてまいります。

    こうした大型事業が進行する中で、私たちは社会情勢の変化や建築コストの増大という厳しい現実にも向き合い、限られた財源の中で優先順位を明確にすることが重要です。そのため、公共施設再配置・町有地有効活用実施計画を、令和8年度から2か年をかけて「公共施設等総合管理計画」へと統合・改訂いたします。ワークショップや検討委員会を通じて町民の皆さまとの対話を重ね、皆さまの想いをこれからの二宮町の設計図に反映させてまいります。

    重点的方針2「子どもの笑顔がかがやく、子育てと教育のまちづくり」

    続いて、「子どもの笑顔がかがやく、子育てと教育のまちづくり」です。
    この施策は、「こどもがまんなか」を理念にとどめず、制度と支援の両面で具体化し、切れ目のない成長の土台を整える取り組みです。

    二宮町が掲げる「こどもがまんなか」の理念を確かな形にするため、令和8年度は湘南地域初となる「こどもの権利条例」の制定に向けて歩みを進めてまいります。
    この条例は、大人が決めた枠組みを当てはめるのではなく、町民ファシリテーターと共に進める「こども会議」を通じて、こども・若者自身の切実な思いを丁寧に拾い上げ、二宮町の未来に反映させていくための大切な約束事です。条例制定後もこの会議を継続し、こどもたちの声が常に町政の真ん中に届き続ける、風通しの良いまちづくりを推進してまいります。

    新しい命の誕生からその健やかな育ちを支える取り組みとして、経済的・心理的な両面から支援をさらに拡充いたします。妊婦健診の公費負担を拡充するとともに、「1か月児健診」の費用補助を開始いたします。また、4月から定期接種に移行する妊婦へのRSウイルスワクチン接種についても、無償で接種いただけるよう体制を整えます。
    あわせて、乳幼児世帯への紙おむつ用ごみ袋の配布や、「二宮・森のようちえん おひさまがおか」を利用する世帯への支援も継続し、子育て世帯の不安や負担を少しでも軽くできるよう寄り添ってまいります。

    特に、こども家庭センター「にのはぐ」と教育委員会がしっかりと手を取り合い、連携を深めていくことには、これまで以上に強い思いを持って力を注いでまいります。
    その具体的な取り組みとして、発達支援専門の先生を招き、幼稚園、保育園、小学校、「にのはぐ」の職員が一緒に事例検討を行う「発達支援連絡会」を継続するとともに、幼稚園、保育園で行ってきた作業療法士の巡回相談を小学校へ拡充いたします。
    作業療法士は、遊びや食事、着替えなど日々の動作を通じて、こころと身体の発達を促し、その子らしい生活を支える専門職です。専門的な視点を学校現場に取り入れ、教員や保護者と具体的な工夫を共有することで、一人一人の課題を早い段階で捉えた支援を進めます。あわせて、対応の見立てや調整をチームで行いやすくすることで、教員の負担の軽減にもつなげ、こどもと向き合う時間の確保を図ってまいります。

    教育の現場においては、施設分離型小中一貫教育校「にのみや学園」の歩みをさらに進めます。小学校から中学校への「なめらかな接続」を重視し、授業見学や部活動体験などの交流を深めることで、こどもたちが期待を持って進学できる環境を整えます。
    こうした一貫した学びの中で、特に力を注いでいるのが英語教育です。二宮町では、小学校1年生から外国語指導助手(ALT)を派遣し、全学年で「生きた英語」に触れる機会を設けています。
    「にのみや学園」の英語教育は、単に知識を習得することだけを目的とはしていません。低学年からALTと触れ合うことで、「英語で伝え合う楽しさ」の種をまき、こどもたちが「もっと知りたい、伝えたい」と自ら動き出すような内発的な意欲を育むことを大切にしています。
    その上で、小学校での「やり取り」の素地を中学校での論理的な学びへと滑らかにつなぐ「小中一貫」の指導を徹底し、英語への関心を着実に高めてまいります。こうした取り組みの成果は、英検に挑戦する生徒の増加や、高校生レベルの準2級、さらには準2級プラスといった高い目標に挑む姿として現れています。これからも、こどもたちが楽しみながら挑戦し、自らの世界を広げていける二宮町ならではの外国語教育を推進してまいります。

    また、一人一人の個性に寄り添い、すべてのこどもたちの学びの権利を保障することも欠かせません。
    小学校には、言葉や聞こえに不安がある児童を支える「ことばの教室」や、自分の気持ちを整えながら学校生活を送れるように支援する「まなびの教室」を設置しています。こうした、個別の支援を土台としながら、教室に入りづらさを感じている児童生徒のために、校内教育支援センター「ほっとルーム」の環境をさらに整えてまいります。
    昨年度、全小中学校への支援教育補助員の常駐を実現いたしましたが、今後は、「安らぎの居場所」として、さらに居心地の良い空間づくりを進めてまいります。あわせて、民間施設等のフリースクールを利用する世帯への補助を新たに開始し、学校の内外を問わず、こどもたちが自分に合った環境で学びを継続できる体制を構築いたします。
    こうした姿勢は、多様性を認める心や、自身の「いのち」を大切にする心へとつながるものです。その一環として、小学校6年生・中学校1年生の児童生徒を対象に「多様性理解のワークショップ」を実施するとともに、「いのちの安全教育」を推進してまいります。
    特に、家庭での性教育の大切さを保護者の皆さまにも共有できるよう、保護者向け講座を継続し、学校と家庭が連携して、こどもたちが自分らしく安全に過ごせる環境を整えてまいります。

    さらに、学びの場は放課後や地域へも広がります。「放課後子ども教室」や「地域学校協働活動」を継続し、学校を核とした地域コミュニティの中で、こどもたちが安心して過ごせる居場所を守ってまいります。
    また、青少年指導員やスポーツ推進委員の選出につきましては、新たに「公募制」を導入いたしました。意欲ある新しい力を迎え入れ、時代の変化に即した活動を展開することで、二宮町全体でこどもたちの笑顔を支える「つながり」を編み直してまいります。
    こどもたちの健やかな成長を支える二宮町の学校給食は、近隣に先駆け50年以上にわたり、安全・安心な完全給食を提供し続けてきた歴史があります。この歩みを大切にしながら、令和8年度から小学校においても給食費の完全無償化を実施いたします。これにより、すでに実施している中学校と合わせ、二宮町立小中学校に通うすべての児童生徒の給食費が無償となります。あわせて一食あたりの単価を増額し、食材費の高騰に対応するとともに、引き続き地元産の野菜を取り入れるなど、これまでどおりの安心な給食を提供してまいります。
    次に、教育環境の整備についてです。タブレット端末を最新機種へと更新し、学びの機会を等しく保障いたします。あわせて、デジタルの活用や業務の見直しを通じて校務の効率化を進め、教員がこどもと向き合う時間を確保できるよう、働き方改革の取り組みを着実に進めてまいります。
    施設面では、二宮中学校特別棟外壁などの改修をもって、早急な対応が必要と判定された箇所の修繕は一区切りとなりますが、引き続き学校施設の適切な維持保全に努めてまいります。
    なお、学校体育館のエアコンは、断熱性能など施設条件により、空調の効果的な運用に向けて整理すべき課題があることから、各校の条件に即した整備手法の調査・検討を進めてまいります。あわせて、将来的な設置に向け、導入手法や維持管理を含めた運用面も見据えながら、必要となる費用についても精査してまいります。
    また、通学路のグリーンベルト設置などの安全対策を計画的に進め、こどもたちが安心して学べる環境を整えてまいります。

    重点的方針3「気候変動対策による持続可能なまちづくり」

    続いて、「気候変動対策による持続可能なまちづくり」です。
    この施策は、未来への責任として、環境と防災を一体で捉え、暮らしの安心につなげる取り組みです。

    私たちは今、「緑と水辺、そして海が織りなす多様な自然といつまでも共生し、環境づくりの輪が広がる美しいまち にのみや」を望ましい環境像として掲げ、町民や事業者の皆さまと共に、計画的な環境づくりを進めています。令和8年度からは、次なる「環境基本計画」の後期実施計画の策定準備を開始いたします。これにあわせ、環境審議会に新たなメンバーを迎え、より多様な視点から、二宮町の未来を見据えた計画策定に取り組んでまいります。

    また、気候市民会議の皆さまからのご提案により実現した「家庭用LED照明器具の購入費補助」につきましても、各家庭で取り組める身近な省エネルギー対策、あるいは蛍光灯の2027年問題を見据え、引き続き推進し、地域全体で温暖化対策の歩みを進めてまいります。

    一方で、気候変動の影響による自然災害のリスクは年々深刻さを増しており、令和6年8月の台風10号による浸水被害は、私たちに大きな課題を突きつけました。
    これを受け、治水の安全性を高めるため、被害の大きかった新田(しんでん)橋(ばし)下流から大応寺橋下流までの約0.7キロ区間において、神奈川県による重点的な河川改修工事が進められています。

    その一方で、こうした水害への備えは川の中だけでは十分ではありません。葛川流域の市町と県が一体となり、流域全体で浸水を防ぐ「流域治水」という考え方に基づく取り組みを進めています。
    5月に開催する「エコフェスタにのみや」では、この取り組みを詳しくご紹介するとともに、今後も神奈川県と緊密に連携し、町民の皆さまに安心をお届けできるよう、迅速な情報発信に努めてまいります。

    次に、これら環境対策と並び、暮らしの安全を支える都市基盤の整備についてです。老朽化が進む町道の補修につきましては、点検結果に基づき、計画的に実施しています。令和8年度は、北口通りや1級町道10号線の内原跨線橋付近などの舗装補修を、令和7年度から継続して着実に進めてまいります。

    重点的方針4「誰もが自分らしく安全・安心に暮らせるまちづくり」

    続いて、「誰もが自分らしく安全・安心に暮らせるまちづくり」です。
    この施策は、支え合いと移動の自由を整え、誰もが孤立しない地域へと暮らしの基盤を組み替える取り組みです。

    まず、災害への備えについてです。
    令和6年1月に発災した能登半島地震では、自治体職員だけでは避難所の開設や運営を担うことの難しさが、厳しい現実として明らかになりました。これを受け二宮町では、住民の皆さま自身による避難所の開設・運営を支援するとともに、災害関連死を防ぐための在宅避難の推奨など、より実践的な地域の自主防災訓練を支援してまいります。
    あわせて、避難所の環境整備として、多目的簡易ベッドや中央応急救護所用のLED投光器、循環型手洗い器、災害用トイレの備蓄を強化いたします。さらに、ブロック塀の撤去や木造住宅の耐震改修、空き家の解体・リフォームへの補助も継続し、相談会によるフォローアップとあわせ、災害に強い住環境づくりを推進してまいります。

    住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、このようなハード面の備えに加え、住民同士の「支え合い」の仕組みが欠かせません。複雑化する地域課題に対応し、自助・共助・公助が円滑に連携できるよう、令和8年度から2か年をかけて「第3次地域福祉計画」を策定いたします。
    初年度はアンケートによる現状分析を行い、令和9年度は計画素案に対して皆さまからの声を反映させながら、誰もが孤立することのない支え合いの土壌を築く計画として仕上げてまいります。

    次に、高齢者の皆さまをはじめとした健康への支援についてです。
    認知症対策につきましては、誰もが自分らしく暮らし続けられるよう、「にのにんカフェ」等を通じた理解促進を図るとともに、適切な医療・介護につながる支援を充実させます。認知症予防には、人とのつながりや社会参加が何より重要です。「地域の通いの場」や「ゆめクラブ」などの活動をさらに広げ、お互いを気にかけ合える温かな地域づくりを進めてまいります。
    また、健康づくりとして、ウォーキング講座に加え、骨粗しょう症予防のための運動と栄養の講座を新たに実施いたします。専門家から身体を動かす楽しさを学び、未病センターの活用とあわせて、主体的な健康維持を支援いたします。
    さらに、新たな取り組みとして、40歳未満の末期がん患者の方を対象とした「在宅療養生活への支援」を開始いたします。介護保険の対象外となる世代の方が、住み慣れた自宅で最後まで安心して過ごせるよう、必要な経費の一部を補助し、ライフステージに合わせたきめ細やかな支援を届けてまいります。
    あわせて、高齢者の方の買い物を支える取り組みとして、移動販売についても関係者との連携を進めてまいります。すでに活動している事業者に加え、新たな事業者とも情報共有を行いながら、地域の実情に合った形で、見守りや支え合いにつながる取組を後押ししてまいります。
    また、ごみ出しが困難な高齢者の方などへの戸別収集も継続し、日々の暮らしの細かな困りごとにしっかりと寄り添ってまいります。

    続いて、障がいのある方への支援についてです。
    社会情勢の変化に合わせ、より時代に即した形へと進化させてまいります。現在、就労支援や居宅介護など、国の制度による在宅サービスは充実しつつあります。一方で、住み慣れた地域で自立した生活を送り続けるためには、自分の意志で外へ出るための「移動の自由」が欠かせません。
    そこで二宮町では、外出の機会をさらに増やし、社会参加を後押しするため、タクシー券の利便性を向上させます。これまで「1回につき1枚」だった使用制限を「2枚まで」に拡充し、より遠方への移動や積極的な外出を支援いたします。
    あわせて、障がい者施設の通所交通費を全額補助へと切り替えることで、ご自身に最も適した通所先を、費用の負担を気にすることなく選択できる環境を整えます。
    なお、高齢者移動支援として交付しているタクシー券につきましても、同様に使用制限を2枚までにし、利便性の向上を図ります。

    次に、生活の足となる公共交通についてです。
    現在、民間バス事業者の運転手不足は極めて深刻で、全国的にもこれまでの運行体制を維持することが困難になっています。二宮町におきましても、路線バスを運行する神奈川中央交通より、持続可能な公共交通の維持に向けた協議の申し出を受けております。
    これを受け、現在、国や県、専門家を交えた検討を開始しておりますが、私たちはこの大きな転換期を、単なる路線の維持にとどまらず、より町民の皆さまの目線に立った「使いやすい交通網」へと再構築する機会と捉えています。
    具体的には、「コミュニティバス」についても、そのルートや運行形態の再編を視野に入れた検討を進めてまいります。二宮駅へのアクセスはもちろんのこと、新庁舎や病院、日々の買い物を支えるスーパーなど、生活に必要な拠点へとスムーズに移動できる仕組みを整えなければなりません。
    高齢者の方、学生、そして日々、通勤等で利用される現役世代の方まで、すべての町民の皆さまの「生活の足」を将来にわたって確保するため、地域公共交通活性化協議会を通じてご意見を丁寧に伺いながら、二宮町に最適な交通のあり方を、スピード感を持って探ってまいります。

    重点的方針5「活力があふれる、選ばれるまちづくり」

    続いて、「活力があふれる、選ばれるまちづくり」です。
    この施策は、地域の資源を磨きなおし、関係人口を広げることで、安心を支える地域経済の土台を強くする取り組みです。

    これまで申し上げた「安全・安心な暮らし」を確かなものにしていくためには、二宮町全体の活力を高め、持続可能な地域経済を築いていくことが不可欠です。そのため、二宮町ならではの豊かな資源を活かし、創意工夫あふれるビジネスや農地の有効活用を支援することで、観光と連携した地域の活性化を進めてまいります。
    まず観光面では、令和7年度に一般社団法人として新たなスタートを切った「湘南にのみや観光協会」の活躍に大きな期待を寄せております。ロゴマークの新調や、吾妻山での日の出ハイキングといった新しい試みが始まっており、今後も民間の柔軟な発想による事業展開を支援してまいります。
    町といたしましても、二宮の魅力を町外へ広く発信し、移住・定住や関係人口の創出につなげるため、新たなPR動画とポスターを制作いたします。ドローン撮影などを駆使し、「誰かに見せたくなるような」心に響く映像づくりを目指します。制作費にはガバメントクラウドファンディングを活用し、皆さまと共に作り上げた作品を、令和9年度の国際園芸博覧会をはじめとするさまざまな機会で発信してまいります。

    移住相談会におきましては、先輩移住者の「生の声」を届ける二宮町独自のスタイルが好評を得ております。移住された方からは、「自然豊かで、のびのび過ごせる」「新しいことにチャレンジしやすい空気感がある」などのお声をいただいており、平成29年度から9年にわたり社会増の傾向が続いています。
    令和8年度は、暮らしの風景をより具体的に思い描けるよう、画像による紹介も加え、二宮町が選ばれるまちとなるよう、引き続き丁寧に取り組んでまいります。

    「二宮ブランド」につきましては、地元産業を支えることを目指し、マーケティング戦略を強化いたします。専門家による伴走支援や、テストマーケティングとしての屋台営業、さらには69品目まで拡充した「ふるさと納税」の返礼品開発などを通じ、販路拡大とPRに力を注ぎます。
    あわせて、新しく開業される個人事業者の皆さまとの連携も深め、二宮らしい活力を生み出してまいります。

    農業の分野では、近年、移住して農業を始める方が増えており、特に女性の新規就農者が、有機栽培や地産地消の取り組みで輝きを放っています。こうした新しい力を、湘南農業協同組合と連携して引き続き支援してまいります。
    特産品である落花生とオリーブについては、普及奨励の補助を継続するとともに、オリーブについては新たに「出荷」に対する補助を開始し、加工品への活用や販売をより一層促進いたします。

    また、農業や生活環境を守るための有害鳥獣対策につきましても、防除資材の購入補助や防除柵の設置を継続し、被害の抑止に努めます。
    あわせて、農業生産の基盤を整えるため、中里地内の農道の拡幅と修繕を計画的に実施し、生産性の向上と、次世代へつなぐための農地の遊休化防止に取り組んでまいります。

    重点的方針6「新しい時代に向けて、しなやかに対応するまちづくり」

    最後に、「新しい時代に向けて、しなやかに対応するまちづくり」です。
    この施策は、計画・行革・DXを通じて、町民サービスを「お待たせしない」形へ進化させ、町民の皆さまと共につくる「共創」を支える行政基盤を整える取り組みです。

    二宮町の最上位計画である「第6次総合計画」は、令和5年度からの10年間を見据え、「豊かな自然と心を育み、人から人へつなぐ笑顔の未来」を将来像に掲げております。
    令和8年度は、この計画の折り返し地点となる「後期基本計画」の策定準備に着手いたします。あわせて、平成28年3月の策定から時間が経過した「人口ビジョン」を現在の社会情勢に合わせて改訂いたします。
    最新のデータに基づき、二宮町の人口動態や将来展望を見直した上で、一体的な計画推進と進捗管理が図れるよう「総合戦略」を後期基本計画の中に組み込んでまいります。

    策定にあたっては、町民満足度アンケートやワークショップを実施するほか、新たに「こども会議」からも意見を募ります。
    幅広い世代の声を丁寧に汲み取り、客観的なデータと町民の皆さまの想いを掛け合わせることで、二宮町の確かな未来図を共に描いてまいります。

    こうした計画を支える土台として、「組織力の強化」「財政基盤の強化」「多様な主体との連携」を3本柱とした行政改革を推進いたします。
    変化し続ける社会情勢の中でも、持続可能な行政運営を構築できるよう、事業の適正化や、業務の効率化に、これからも一つ一つ丁寧に取り組んでまいります。

    DXに関しましては、町民の皆さまが身近に感じ、実際の生活でその利便性を実感できる「この町にちょうどいい、やさしいデジタル」を実装し、手続きの利便性向上と業務の標準化を通じて、町民サービスの改善を確実に積み上げてまいります。
    まず、町民の皆さまにとってより便利な環境づくりの一環として、LINE公式アカウントの活用を推進しています。現在、LINEを通じて、ごみの収集日や緊急時のお知らせに加え、二宮町内のイベント情報、募集・申込みの案内、各種制度の周知などをお届けしています。日々の「確認」や「申込み」に役立つ情報を、よりタイムリーにお届けし、町民サービスの利便性向上につなげてまいります。
    さらに、令和8年度には「e-kanagawa 電子申請サービス」とLINE公式アカウントの連携を予定しており、LINEを使って簡単に申請できる仕組みを拡充する計画です。この新たな仕組みにより、子育て世帯の方々にはスマートフォンを活用したスムーズな申請手続きが可能となり、高齢者の皆さまも家族や知人の協力を得ながら安心してオンライン手続きを進めていただけるようになります。

    また、デジタル技術を活用して町の運営や職員の業務効率化にも力を入れています。AI技術の導入などにより、役場の事務作業の迅速化を進め、職員が町民の皆さまからの相談対応や現場でのサポートに、より力を注げる体制を整備いたします。
    さらに、新庁舎への移転に向けた準備として、令和7年度には文書の保存状況や業務フローの整備を行い、令和8年度には新たな文書管理システムを導入する予定です。情報の検索性が飛躍的に向上し、情報公開の迅速化やペーパーレス化が進むことで、より「お待たせしない役場」へと進化させてまいります。

    二宮町の安全を守る消防・防災体制の強化につきましても、着実に歩みを進めております。平塚市・大磯町と共同で運用している「共同消防指令センター」につきましては、令和8年度から2か年をかけて、指令機器やデジタル無線の機能強化を伴う全面更新を実施いたします。
    また、大規模改修と訓練棟の建設を終えた消防庁舎におきましては、指令・防災関係の機器を2階へ移設するなど、浸水対策を含めた機能強化が完了いたしました。これにより、災害対応能力の向上はもちろん、職員の職場環境も改善され、より強固な消防・救急体制が整いました。

    特別会計

    続いて、特別会計についてです。

    はじめに、国民健康保険特別会計です。
    制度改正により、現在は県と町が共に保険者として運営しておりますが、被保険者数の減少や医療の高度化が進み、依然として厳しい経営状況が続いております。今後とも、効率的な運営を図り、制度の安定に努めてまいります。
    また、「データヘルス計画」に基づき、特定健診の結果やレセプトデータなどの健康・医療データを活用して、被保険者の皆さまの健康状態や医療費の現状を把握し、効果的な保健事業を展開してまいります。特に、令和6年度からはAIを活用した受診勧奨を導入し、対象者一人一人の状況に合わせたメッセージを送付した結果、特定健康診査の受診率において「神奈川県内第1位」という素晴らしい実績を収めることができました。引き続き、受診率の向上に努めるとともに、健診後の保健指導も充実させてまいります。

    後期高齢者医療特別会計につきましては、対象者の増加に伴う医療費の増大に対応するため、引き続き広域連合と連携し、健全な制度運営に努めてまいります。

    介護保険特別会計につきましては、超高齢社会の進展により、介護サービスや高齢者福祉への需要がますます高まっております。高齢者の皆さまが住み慣れた地域で自分らしく安心して暮らし続けられるよう、令和8年度は、次期「高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」の策定に向けて、アンケート調査の分析や課題の整理を進め、計画素案に対するパブリックコメントを実施いたします。
    あわせて、介護予防と健康づくりを一体的に推進するため、現行の「介護予防ボランティア」と、地区から選出されていた「健康づくり普及委員」を統合し、新たに「(仮称)健康づくりサポーター」として、公募により担い手を確保いたします。「地域の通いの場」などで健康体操や講座のメニューを充実させ、活動のさらなる普及を図ってまいります。

    企業会計

    続いて、企業会計についてです。
    下水道事業につきましては、予定していた整備が順調に進み、概ね9割が完了いたしました。今後は施設の老朽化を見据え、計画的な点検と修繕を進めるとともに、接続率の向上と経費の削減に取り組んでまいります。
    集中豪雨時の冠水対策としましては、二宮小学校下の1級町道10号線において、これまでの工事に続き、令和8年度は大きな箱型の通水路を整備し、抜本的な対策を進めます。あわせて、各家庭への雨水貯留槽の設置補助を継続するとともに、浸水を防ぐ雨水止水板の設置補助も行い、ご家庭でできる備えを後押ししてまいります。
    また、地震に備えて、古い下水道の主要な管の安全性を点検し、災害に強いインフラを構築いたします。
    下水道経営が将来にわたり持続可能なものとなるよう、引き続き公営企業会計制度(収支を明確にする仕組み)を適用し、安定した運営に取り組んでまいります。

    結び

    結びにあたり、私の思いを申し上げます。
    私たちは今、深刻な人手不足や物価の高騰、そして毎年のように繰り返される自然災害など、日々の暮らしを脅かす多くの課題に直面しています。
    社会がこれほどまでに速く、大きく変わり続けている現在、私たちはこれまでのやり方を単に引き継ぐだけでは足りないと考えています。これまでの「当たり前」を一度まっさらな目で見つめ直し、今の時代に本当に必要な形へと、勇気を持って新しくしていく、そして、スピード感を持って社会の変化に寄り添っていくことが何より大切です。
    まちづくりにおいて私が最も大切にしたいのは、町民の皆さまの「声」です。皆さまが日々の生活の中で感じておられる思いをしっかりとお聴きし、今、何を優先すべきかを共に考え、共に歩んでいく、そんな「共創」のまちづくりを、これからも大切に育んでまいります。
    掲げた一つ一つの施策に対して丁寧に向き合い、着実に形へとしていくことで、二宮町が持つ素晴らしい「町民パワー」を存分に活かしてまいりたいと考えています。
    こどもから高齢者まで、すべての皆さまが安心して、自分らしく健やかに暮らすことができる。そして、この二宮町に住んでいることに心から「胸を張れる」、そんな温かな未来を、皆さまとご一緒に創りあげていくために、誠心誠意、町政に取り組んでまいります。

    引き続き、議員各位ならびに町民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げ、施政方針とさせていただきます。

    なにとぞよろしくご審議の上、ご賛同を賜りたくお願い申し上げます。

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