化学物質過敏症を知っていますか?
- [更新日:2024年6月21日]
- ID:507
化学物質過敏症は未解明な部分が多い疾患ですが、原因がわからず、周りからも理解されずに苦しんでいる方がいます。
まずは、化学物質によりさまざまな症状が誘発される方がいることを知っていただき、苦しんでいる方へのご配慮をお願いします。
化学物質過敏症(Multiple Chemical Sensitivity)とは
いわゆる化学物質過敏症は、生活環境中の極めて微量な化学物質に接することにより、多彩な不定愁訴を呈する症候群であるとされています。
シカゴ大学のCullen MRらのグループの定義が一般的であり、「過去にかなり大量の化学物資に一度接触し急性中毒症状が出現した後か、または生体にとって有害な化学物質に長期にわたり接触した場合、次の機会にかなり少量の同種または同系統の化学物質に再接触した場合にみられる臨床症候群」とされています。
一旦過敏性を獲得してしまうと、その後は一般的な毒性学の概念では説明できない程の極めて微量な化学物質に反応するようになるとされています。
<平成27年度環境中の微量な化学物質による健康影響に関する調査研究業務報告書(学校法人東海大学)による>
主な症状
嗅覚過敏や目・鼻・喉の刺激症状、皮膚の紅斑、かゆみ、疲労感、頭痛、めまい、吐き気等
<平成27年度環境中の微量な化学物質による健康影響に関する調査研究業務報告書(学校法人東海大学)による>
原因となるもの
- 香料等を含む洗剤、柔軟剤、芳香剤、消臭剤などの日用品や化粧品
- 殺虫剤や虫よけスプレー、農薬
- 接着剤や塗料、住宅建材
- 排気ガス暖房等の燃焼ガスなど
対処法
治療法が確立していないため、原因となる化学物質を避けることが、最も有効な対処法と言われています。
あなたにもできること
- 人が集まるところでは、洗剤、柔軟剤、香水などの香りが過度にならないように、使用を控えるなどの配慮をしましょう。
- 殺虫剤、虫よけスプレーなどは、周囲の人に飛びちらないように注意しましょう。
- 住宅地等での農薬(農薬に該当する除草剤を含む)は、なるべく使用しないようにしましょう。やむをえず使用する時は、事前に周囲の方に、使用の目的・日時・農薬の種類・連絡先を、十分に時間的に余裕をもってお知らせするとともに、周囲に飛散しないようにしましょう。
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