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あしあと

    道祖神

    • [更新日:2023年2月25日]
    • ID:28

    神奈川県の西南部に位置する二宮にもセーノカミがたくさん見られます。同様な形態の石造物は地域により、サイノカミ、ドーロクジン、ドーソジンなどとも呼ばれ、これらを総称して道祖神とされています。しかし、これらが同じ信仰に基づくものかどうかは明確ではありません。一般的には道祖神は集落の境などにあり、疫病などが入ってくるのを防いだり、旅行者の安全を守るなどと説明されているようです。

    このページでは二宮に見られる石造物の中から、町内に43基あるセーノカミをまとめました。いつ作られたかわかっているもので、最も古いものは元禄14(1701)年のもので、中里にあります。これは二体の像が並んでいる姿を彫った双体像です。どのような表情をした像であったかは磨耗がはげしく、判別できません。双体像の中にはかろうじて表情が読み取れるものもあります。頭に烏帽子のようなものをかぶっていたり、坊主だったり髪型もさまざまですし、着る物も一様ではありません。

    道祖神といえば長野県安曇野に見られるような双体道祖神が有名です。しかし石造の道祖神も双体像だけでなく、単体像や文字碑、五輪塔の残欠など、実に多様です。また、その石造道祖神の分布は、主に本州中央部に多く見られ、この地域では小正月にセートバレーやサギチョウ、ドンドヤキなどと呼ばれる火祭りと道祖神の祭りとを結びつけようとする傾向が見られます。

    「道祖神」などと刻まれた文字碑は一般的には江戸時代の終わり頃になって多く作られています。吾妻神社入口には「道禄神」と刻まれた石碑もあり、もしかしたらドーロクジンという呼び方をしたことがあったかもしれません。しかし、どのような漢字で書かれていても、多くの人びとは古くからの呼び方のまま、セーノカミと呼ぶことが多いようです。

    二宮で見られる珍しいセーノカミといえば、妙見神社などにある石棒型のものです。町内に三基ほど確認されていますが、一見、キノコのような形で、頭でっかちの石の棒です。これは男根を模したものといわれ、子孫繁栄などの信仰対象とするところが全国各地に見られます。このほかに、石祠の中に双体像を祀ったものがあります。石祠の中に直接双体像を刻んだものや、双体像を刻んだ石を祠の中に入れて祀っているものなどがあります。こうした双体像は夫婦像であり、縁結びや夫婦和合の神であるといっているところもあります。

    路傍の石仏参観にあたってのご注意

    • 本ページ載せた路傍の石仏の参観にあたっては、あらかじめ石仏の場所を確認してからお出かけください。
    • 石仏が私有地内にある場合は、無断で入らないでください。
    • 石仏を傷つけたり、移動させたりする行為は絶対にやめてください。
    • 道路にごみをちらかしたり、他人に迷惑をかけたりしないでください。
    • 石仏は地域の人々の手で大切に守られてきたものです。節度ある態度で見学しましょう。