地神塔
- [更新日:2023年2月25日]
- ID:40
二宮町には18基の地神塔があります。これらは全て豊作を祈って大地や天候の神を祀るためのものです。正面に「天社神(てんしゃじん)」や「地神社」、「社稷神(しゃしょくじん)」といった文字が書かれています。
ほかの市町村では角柱型や板碑型もありますが、二宮には自然の石に文字を彫ったものだけが確認されています。大きな石を、ほとんど手を加えずに設置しており、自然のものに人間の手を加えず感謝の気持ちをもつ、地神の信仰の特徴が垣間見えます。
また、この中のいくつかは「講中」と書かれています。「講中」とは地神を祀る地域の人々の集まりです。参加者の家を交替で会場にし、春秋の彼岸に近い戊の日など、年に何度か集まり、土の神様である「埴安姫命(はにやすひめのみこと)」の掛軸をかけるなどしておまつりし、一緒に食事をとります。この日は「社日(しゃにち)」と呼ばれており、田畑に神様がいるため農作業をしてはいけないとか、農具を洗う日だといいます。
二宮町内にある地神塔で特徴的なものは、二宮妙見路の交差点にある文政5(1822)年の地神社です。下の台座に「左 かないみち」とあり、平塚市にある金目観音(金目山光明寺)への道しるべを兼ねていたことがわかります。このあたりから金目観音までは、約14キロ程度であり、一色にも「金目道」という小字があることから、二宮付近の住民や小田原方面の人で、二宮を通過して参詣する人が多かったのでしょう。「かないみち」とある石塔は、平塚市内にもあります。
地神塔の前には農業に昔ほど従事しなくなった今でも、水や花が供えられていることがあり、町民の手によって大切に守られてきたことがわかります。
路傍の石仏参観にあたってのご注意
- 本ページに載せた路傍の石仏の参観にあたっては、あらかじめ石仏の場所を確認してからお出かけください。
- 石仏が私有地内にある場合は、無断で入らないでください。
- 石仏を傷つけたり、移動させたりする行為は絶対にやめてください。
- 道路にごみをちらかしたり、他人に迷惑をかけたりしないでください。
- 石仏は地域の人々の手で大切に守られてきたものです。節度ある態度で見学しましょう。
お問い合わせ
二宮町教育委員会教育部生涯学習課生涯学習班
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