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あしあと

    ひなまつり

    • [更新日:2022年11月7日]
    • ID:522

    今では3月3日に行われるひなまつりですが、昔は月遅れの4月3日に行われていました。ちょうどその頃は桜の花も満開で、子どもたちにとって、ひなまつりは花見を兼ねた楽しい行事でした。

    女の子たちは重箱にごちそうを詰め、座りびなを一つとムシロを持って山へ行きました。ごちそうは寿司、天よせ、里芋やにんじん・ハス・こんにゃくなどの煮しめ、羊羹(ようかん)などです。一色地区では4月2日に打越・石田の田んぼへタニシを取りに行き、花見の弁当には必ずタニシの佃煮やタニシの混ぜご飯を入れました。お菓子はポン豆(米を煎って、はぜらせ、砂糖で甘味をつけたもの)、豆、キャラメルなどで、豆は落花生を煎って砂糖の汁に入れ、最後に片栗粉を入れて作りました。山ではノカンゾウ、スミレ、タンポポなどでひなを作り、棒を通して地面に立て、ごちそうを供えたり、友達同士でごちそうを交換したりと楽しい時間を過ごしました。

    一方、男の子たちは山で戦争ごっこです。一週間ほど前から竹や茅を組んで高床式の小屋を建て、畳三畳位の旗と旗竿、万国旗を作ります。さらに竹で鉄砲を、桜の木で弓矢や刀を作り、銀紙を巻いて戦いの準備をします。当日はラッパを吹き、旗をなびかせたりしながら鉄砲を撃ち合い、陣地取り合戦をしました。山には竹鉄砲のパンパンという音が響き、男の子たちは元気に走り回った後は女の子と一緒に重箱の弁当を食べたり、タニシ取りをしたということです。

    時代が変わり、戦後になるとこのような風習は見られなくなりました。