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あしあと

    二宮町気候非常事態宣言を発出しました。

    • [更新日:2023年5月14日]
    • ID:1997

      町ではこの度、地球規模で問題視されている「気候変動」による非常事態を「自分事」として捉え、町民と行政が一丸となってこの問題に取り組むための意思表明として、「気候非常事態宣言」を「ぼくたちわたしたちの地球会議」とともに発出いたしました。

     宣言の作成にあたっては、ワークショップを開催し、町民と行政とが一緒になって文案をつくり上げました。

     近年、記録的な猛暑や集中豪雨など、地球温暖化を起因とする「気候変動」のリスクは今後さらに高まるものと予測されています。

     町民や事業者と力を合わせ、自然と共生する豊かな未来のために、この宣言の発出を新たなスタートラインとして気候変動対策に取り組みます。


    (注釈)「ぼくたちわたしたちの地球会議」とは環境団体である「環境づくりフォーラム」と町が協働して2021年に発足した、子ども参加型の環境シンポジウムです。


                              宣言文

                             宣言文全文

                                    自然と共生する豊かな未来へ 

                                   (二宮町気候非常事態宣言)

     その昔、二宮の人々は自然とともに暮らしていた。水は吾妻山などの森から、きらきらと流れていた。葛川や一面に広がる田んぼには、いろいろな生きものが住んでいた。野うさぎが駆けめぐり、とんぼが空を舞う里山の風景。子どもたちは目を輝かせて日が暮れるまで遊んだ。長く続く松林を越えると、100メートル にもなる広大な砂浜が太平洋の遥かな海を迎えた。山の水を集める豊かな川の薫りと瀬の海は、年間60万尾ものブリの水揚げをもたらしたという。漁師たちが 稲わらで編んだ網は、古くなると海の中でイセエビの漁礁に活かされた。すべては循環し、繋がりあう営みの中にあった。 

     しかし、現在に至るまでのあいだに、人々と自然との分断が進み、循環は途絶えかけている。気候危機をはじめとする地球規模での自然環境の損失は末期的な状況であり、人類への最終警告だ。温室効果ガスの排出削減を進めるとともに、自然と共生する豊かな未来への仕組みづくりが急務である。 

     地球上のすべての生き物は、38億年の命を紡ぎ、今を生きている。生物多様性の大きな懐の中にわたしたちがいることを、新たに見つめなおそう。自然を回復させ、その恵みを誰もが享受しながら幸せに暮らすことのできるまちを、ともにつくろう。

      二宮町では多くの先人たちの思いを受け継ぎ、2021年より発足された「ぼくたちわたしたちの地球会議」を通して、子どもをまんなかに「千年続く循環するまちづくり」への歩みを進めてきた。町民・環境団体・行政が力を合わせてつくりあげてきた学びと実践の輪をさらに広げ、大きな力にしていこう。

     二宮町は、自然と共生する豊かな未来のため、ここに気候非常事態を宣言し、以下のことに取り組みます。 

    1.全ての町民が自然の恵みを十分に享受できるよう、「千年続く循環するまちづくり」を実現します。 

    2.問題解決に向けた仕組みを構築するために、町民・事業者・行政が、世代や立場を越えて、協働・共創します。  

    3.わたしたちの未来をつくるために、多様な学びの場と参加の機会を創出します。  上記を具体化する今後の目標や取組内容を定め、改善を繰り返しながら、実践を進めていきます。


    令和5(2023)年5月14日  


                                                 子どもたちと作り上げる環境シンポジウム 

                                                 ぼくたちわたしたちの地球会議   


                                                 二宮町長 村田邦子